年金積立金で外債購入
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年金・社会保障ネタ
ですが、現在残高は約120兆円、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が信託会社を初めとする金融機関等に委託する形で資金を運用しています。運用割合は国内債券が7割弱(財投債含む)、現在でも外国株式と外国債券で2割ほどを占めますが、この割合を高めることで外債購入→外貨購入→円安効果を狙おうというものです。
理屈の上では尤もな話です。
さて、一方の為替介入を見てみますと、8月4日が4.5兆円、10月31日が10兆円規模とされ、8月は約3円、10月は4円弱瞬間的に円安となりましたが、8月はわずか3営業日で介入前の水準に押し戻され、10月も高値から2円強押し戻され効果は十分とは言えません(モチロン介入が無ければさらに円高になっていた可能性があったわけで全く効果が無かったとも言えなくはありません)。
非常に単純な計算ですがこの15兆円の介入の平均単価は77円後半程度※(特に10月の介入はかなり海外時間に入っても買い支えを続けたのでもっと高いのではないか)と思われますので現在の77円丁度の水準で1%、1500億円規模の含み損を抱えている状況です。75円程度に円相場が膠着すれば5000億円規模の含み損となります。
金融市場の流れを人為的に止めるのは容易なことではありません。国民の大切な年金資産を過大なリスクに晒すだけになるのはないのではないでしょうか。
※単純に介入前安値水準と高値水準の中央の値と介入額を掛けて平均しました
※運用成績、資産構成はGPIFのホームページで公開されています。
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