高齢者を支える人数 その1
良くテレビや新聞で見かける「現役世代2.7人で1人の高齢者を支えています」というアレ、将来の年金や医療制度の不安を煽る?のによく用いられる数字であるが耳にされた方も多いだろう。
マスコミが良く用いるこの数字は、65歳以上を高齢者として、その数を生産年齢人口(15~64歳)で割ったものだ。総務省統計局の人口推計23年7月の国勢調査確定値によると65歳以上人口は2957万人、15~64歳は8149万人なので8149/2957で約2.7となる。
さて、その比率が今後どう推移するとか、過去はどうだったのか、という議論は他に譲るとして、今回確認したかったのは年金財政の支え手と受け手の関係である。管理人はこの1/2.7という数字に違和感を持っているからである。
そこで早速確認してみた。
厚生労働省年金局の「平成22年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、まず公的年金に加入して保険料を納める支え手側であるが、22年度は6,826万人となっている。一方の受け手、年金を貰う側は重複の無い実受給者数で3,796万人となっている。支え手を現役世代、受け手の受給者を高齢者とすると先ほどの比率は6826/3796で1.79。現役世代1.79人で1人の年金受給者を支えていると言う結果が導き出される。
次回へ続く
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