厚生年金支給開始年金引き上げ
公開日:
:
年金・社会保障ネタ
こんにちは、社会保険労務士・行政書士の沖田です。
さて、来年度より60歳を迎える人(昭和28年4月2日以降生まれ)から厚生年金の支給開始が61歳となり、その後も順次厚生年金の受給開始年齢が引き上げられ昭和36年4月以降生まれの人については65歳に支給開始年齢が引き上げられます。(女子は5年遅れ、かつての厚生年金が55歳支給だった名残デス)
それに伴う無年金期間を補うため高年齢者雇用安定法が今春より改定されます。
こんな大きな話なのに意外と話題に上っていないな、というのが私の実感ではありますが、少子高齢化に伴う給付額増加と保険料収入減少による制度破綻懸念と、それを煽るマスコミによって現役世代を中心にさらなる受給開始年齢引き上げを予想する声が上がり、年金制度不信に拍車を掛けている印象を受けます。
先日はIMFがアメリカ67歳、イギリス68歳など欧米諸国に比して日本の公的年金の支給開始年齢が低くさらなる引き上げが必要との提言をしたとか。
しかしこれだけ問題があると言われている公的年金制度ですが、1000万人弱の保険料負担がない3号被保険者が居て、さらに国民年金加入者の4割以上が未納という中で、モデルケースで月額18万円という、20-30代非正規労働者の給料と変わらない年金が未だに支給されています(この世代の人たちの経済感覚では少ないとの不満を聞きますが)。
財源や給付額の話をするならまず、前近代的な配偶者加給年金や3号被保険者の優遇を見直すだけでもそれなりの効果が上がるのではないでしょうか。
日本の年金制度は大丈夫かと聞かれれば、今のままでは難しいと言わざるを得ませんが、正しい理解もせずに、放置するのは良くないのではないでしょうか。
写真は知床半島のエゾ鹿親子です
関連記事
-
-
年金積立金 第2四半期運用成績は-3.32%
12月2日年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2011年7-9月期の運用成績が、-3.7兆円
-
-
あれだけ騒いでおきながら
社会保障審議会年金部会で示された案によると、専業主婦の年金分割や、在職老齢年金の増額、厚生年金の報酬
-
-
介護施設と高齢者住宅 その2
金正日が死亡したようです。すぐ近くの国でありながら我々の常識の通用しない独裁国家。今年2011年は残
-
-
年金積立金で外債購入
ですが、現在残高は約120兆円、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が信託
-
-
サンデー毎日さんの取材を受けました
昨日発売の11/13日号サンデー毎日さん「年金制度改革で超ヘロヘロ」において年金夫婦分割案と3号制度